大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)1236 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人景山収の上告理由について。

論旨一は、原判決の認定にそわない事実を主張しこれを前提として原審の適法に

した証拠の取捨判断、事実認定を非難するもので上告適法の理由とならない。

論旨二は、原判決が所論弁済の抗弁を排斥したことを非難するが、原判決は上告

人甲の六〇万円の現実の提供による弁済の主張については、挙示の各証拠により同

人の現金六〇万円を調達持参した旨の供述は採用し難く他に同人が弁済の準備をし

ていた事実を認める証拠がないとの事実判断をして排斥しているのであるから、所

論は原審の証拠の取捨判断、事実認定の非難に帰する。原判決中、右六〇万円の提

供は約四万円不足するので債務の本旨に従つた弁済の提供とならない旨の判示部分

は、原判決がすでに現実の提供につき弁済の準備があつたことは認められない旨判

断している以上、無用の判示であつて原判決に影響を及ぼさない。また原審は弁済

の言語上の提供の要件として判示債務者に当時なんらかの程度で弁済の準備があつ

たことは認められないとの事実判断をしているのであるから、債権者の受領拒絶の

有無にかかわらず上告人らの言語上の提供による弁済の主張は排斥を免れないので

あつて、原判決には法理を誤解した違法があるとの所論も採用することができない。

論旨三のAは原審の証拠の取捨判断、事実誤認の主張を前提として証拠の解釈の

誤、審理不尽の違法をいうもので上告適法の理由とならない。同B・Cは、原判示

代物弁済予約完結の意思表示なくして判示の所有権取得の登記をしてもこれをもつ

て上告人らに対抗することはできないというけれども、かような登記をした後に、

登記されたとおりの所有権の移転が実際に行われた場合においては、この所有権移

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転の時以後はその登記は実体上の権利関係に合致することとなり登記として有効で

あると解されるから、本件登記は有効であり、従つて被上告人は本件所有権取得を

第三者に対抗できるとした原判旨は相当である。論旨はすべて採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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